創業融資を受けたいAさん(32歳)は、いよいよ銀行との面談を控えています。
事業計画書も作った、必要書類も揃えた。
でも、面談で何を聞かれるのか、どう答えればいいのか不安で仕方がない…。
そんな経験、ありませんか?
実は、創業融資の面談って「気軽な雑談」じゃないんですよね。
銀行員は質問を通じて、あなたの事業の返済可能性を見極めようとしています。
この記事では、元銀行員で現在CFOコンサルタントをしている私が、創業融資の面談で実際に聞かれる質問と、銀行員が本当にチェックしているポイントを解説します。
本記事の内容
- 創業融資の面談で聞かれる7つの質問
- 各質問で銀行員が見ているポイント
- 好印象を与える答え方のコツ
- 面談で絶対にやってはいけないNG行動
本記事の信頼性
- 地方銀行で約10年、融資業務・審査を担当
- 本部で融資審査ノウハウを習得、本店営業部で上半期新規融資額トップ
- 現在は(株)インバンカー代表として、中小企業の資金調達・事業計画作成を支援
それでは、詳しく解説していきますね。
目次
創業融資の面談ではどんなことを聞かれる?

まず結論から。
創業融資の面談では、大きく分けて7つのテーマについて質問されます。
ただし、質問の仕方は銀行員によってバラバラなんですよ。
「なぜこの事業を始めようと思ったんですか?」とストレートに聞く人もいれば、雑談っぽく「前職では何をされてたんですか?」と入ってくる人もいる。
でも、聞きたいことの本質は同じ。
それは「この人にお金を貸して、ちゃんと返してもらえるか?」です。
銀行員時代、私も何百件と創業融資の面談をしてきました。
その経験から言えるのは、面談で聞かれることって実はパターンが決まってるんですね。
【質問1】創業理由

まず100%聞かれるのが、「なぜこの事業を始めようと思ったのですか?」という質問です。
これ、単なる世間話じゃないんですよ。
銀行員がここで見ているのは、あなたの本気度と事業への理解度です。
「なんとなく儲かりそうだから」「会社員が嫌になって」みたいな動機だと、正直マイナスイメージなんですね。
担当者の心の中では「この人、すぐ諦めそうだな…」って思われちゃう。
逆に、こんな答え方だと好印象です。
「前職で〇〇業界に5年いて、△△という課題に気づきました。この課題を解決できるサービスがなかったので、自分で作ろうと思ったんです」
ポイントは具体性です。
あなたの経験と、事業を始める理由がつながっていること。
これが伝わると、銀行員も「ああ、この人は本気だな」って感じるんですよね。
私自身、銀行を辞めて保険営業、そしてインバンカーを創業したのも、中小企業の資金調達で困っている経営者を何人も見てきたからなんです。
「銀行員として融資審査をやってきた自分だからこそ、経営者の力になれる」と思ったから独立した。
そういうストーリーがあると、相手も納得してくれるんですよ。
【質問2】事業内容と事業経験

次に必ず聞かれるのが、事業の内容と、あなたの経験です。
「具体的にどんな事業をやるんですか?」
「この業界での経験は何年くらいですか?」
銀行員がここでチェックしているのは、創業者としての実績や知識があるかなんですね。
例えば、飲食店を開業したいと言っている人が、飲食業界での経験ゼロだったら…?
正直、厳しいです。
「この人、本当に飲食店経営できるの?」って思われちゃう。
逆に、「10年間、大手レストランで店長をやってました。売上管理も、仕入れも、スタッフ教育も経験済みです」と言えたら、それだけで信頼度が上がるんですよ。
ちなみに私が銀行員時代に融資を通した創業案件って、ほぼ全員がその業界での経験者でした。
未経験の分野で起業する人には、正直融資しづらかったんですよね。
もしあなたが未経験分野で起業するなら、どうやってその知識を補うのかを説明できるようにしておきましょう。
「〇〇の資格を取りました」「業界の先輩に指導してもらっています」とか。
【質問3】開始する事業の内容と経験

さらに深掘りされるのが、「その事業、具体的にどうやって回すんですか?」という質問です。
これ、事業計画書に書いてあっても、口頭で説明できるかどうかが重要なんですよ。
銀行員時代、こんな人がいました。
「うちは飲食店です。美味しい中華を出します」
「で、具体的には?」
「…え、美味しい中華を出すんです(繰り返し)」
これじゃダメなんですよね(笑)。
銀行員が知りたいのは、もっと具体的なことです。
- ターゲット顧客は誰?(ファミリー層?サラリーマン?)
- 客単価はいくら?
- どうやって集客するの?(SNS?チラシ?口コミ?)
- ライバル店と何が違うの?
こういう質問に、スラスラ答えられる人は強い。
「ああ、この人は事業のことを本気で考えてるな」と思われます。
逆に、「まあ、やってみないとわからないですね」みたいな答え方をすると…
銀行員の心の中では「この人、計画性ないな…」って思われちゃうんですよ。
【質問4】売上見込みと根拠

次に来るのが、「売上はどれくらいを見込んでいますか?」という質問。
ここで大事なのは、数字だけじゃなくてその根拠なんですね。
よくある失敗パターンがこれ。
「月商100万円を目指します!」
「その根拠は?」
「…頑張ります!」
いや、頑張るのは当たり前なんですよ(笑)。
銀行員が知りたいのは、「なぜその数字が達成できると思うのか?」なんです。
例えばこんな説明だとどうでしょう?
「近隣の競合店の客数を調査したところ、平日は1日30人、週末は50人ほど来店しています。うちは価格を少し抑えて、さらに〇〇という差別化をするので、まずは平日20人、週末40人を目標にしています。客単価1,500円で計算すると…」
こういう風に、調査した事実と論理的な計算があると、信頼されるんですよね。
私が融資審査をしていた時も、この「根拠」がしっかりしている人には融資が通りやすかったです。
逆に「とにかく頑張ります!」だけの人は、どんなに熱意があっても難しかった…。
売上見込みは、希望的観測じゃなくて、現実的な根拠で語りましょう。
【質問5】返済計画

そして、これが一番大事。
「毎月の返済、ちゃんとできますか?」という質問です。
銀行員が最も知りたいのは、ここなんですよ。
だって、返してもらえないとお金を貸せないですからね。
ここで聞かれるのは、
- 毎月の売上から経費を引いて、いくら残りますか?
- その中から返済できますか?
- 返済額はいくらですか?
事業計画書に書いてある数字を、自分の言葉で説明できるかどうかがポイントです。
私が銀行員時代に見てきた「返済できる人」の共通点は、キャッシュフロー(お金の流れ)を理解していることでした。
「売上が上がっても、入金が3ヶ月後だから、その間の運転資金が必要なんです」とか、そういう細かいところまでわかってる人は信頼できるんですよね。
逆に、「売上が上がれば返せます!」だけだと、ちょっと不安。
売上と利益は違うし、利益とキャッシュも違うんですよ。
返済計画は、現実的に、毎月いくら手元に残るのかをベースに考えましょう。
【質問6】自己資金の準備状況

次に、「自己資金はいくら準備していますか?」という質問。
これもめちゃくちゃ重要です。
なぜなら、自己資金の有無で、銀行員の見る目が変わるから。
創業融資って、基本的に「融資額の3分の1〜2分の1は自己資金を入れてください」って言われるんですね。
つまり、1,000万円借りたいなら、最低でも300万円〜500万円は自分で用意する必要がある。
で、ここで銀行員がチェックするのは、その自己資金がどうやって貯まったかなんですよ。
例えば、「コツコツ貯金して300万円貯めました」という人と、「先月、知り合いから300万円もらいました」という人。
どっちが信頼できますか?
答えは明らかですよね。
前者は計画性があるけど、後者は「これ、本当に自己資金?見せ金じゃない?」って疑われちゃう。
銀行員時代、通帳のコピーを見せてもらうことがよくありました。
そこで、毎月コツコツ貯金している履歴があると、「ああ、この人は真面目だな」って思ったんですよね。
逆に、急に大金が振り込まれてると、「これ、誰かから借りたお金じゃない?」って警戒されちゃう。
自己資金は、自分で貯めたお金が一番信頼されます。
【質問7】将来のビジョン

最後に、「この事業、将来的にどうしていきたいですか?」という質問。
これ、意外と軽視されがちなんですけど、実は大事なんですよ。
なぜなら、銀行員は長期的にお付き合いできる相手かどうかを見ているから。
「とりあえず1年頑張ります」という人より、「3年後には店舗を2つに増やして、5年後にはフランチャイズ展開を考えています」という人の方が、将来性を感じるんですよね。
ただし、ここで注意。
現実離れしたビジョンはNGです。
「5年後には上場します!」とか言われても、「いやいや、まず創業融資の段階でそれ言う?」って思われちゃう(笑)。
現実的で、でもちゃんと成長を考えている。
そういうバランスが大事なんです。
私自身、インバンカーを創業した時も、「まずは1年で10社のCFO支援、3年後には全国展開」みたいな段階的なビジョンを持ってました。
今はその通りに進んでるかと言うと…まあ、いろいろありますけどね(笑)。
でも、ビジョンがあると、自分自身もブレないし、周りからの信頼も得やすいんですよ。
好印象を与える答え方のコツ

ここまで7つの質問を紹介してきましたが、最後に「好印象を与えるコツ」をお伝えしますね。
具体的に答える
「頑張ります!」じゃなくて、「〇〇という方法で△△を実現します」と具体的に。
数字を使う
「たくさん」じゃなくて、「月30人」「売上100万円」と数字で。
自分の言葉で話す
事業計画書の丸暗記じゃなくて、自分の言葉で。
緊張してもいいんです。大事なのは、あなたの熱意が伝わるかどうか。
質問には正直に答える
わからないことは「わかりません」でOK。
変に誤魔化すと、後で信頼を失います。
身だしなみを整える
当たり前ですけど、清潔感は大事。
スーツじゃなくてもいいけど、ちゃんとした服装で。
私が銀行員時代、「この人に融資したいな」と思ったのは、結局誠実で、現実的で、本気な人でした。
完璧じゃなくていいんです。
でも、準備はしっかりしておきましょう。
面談で絶対にやってはいけないNG行動

最後に、これだけは避けてほしいNG行動を3つ。
NG1:事業計画書の内容を答えられない
「事業計画書に書いてあります」じゃダメ。
自分の言葉で説明できないと、「この人、誰かに作ってもらったな」って思われます。
NG2:売上見込みの根拠が曖昧
「とりあえず月100万円!」みたいな、根拠のない数字はNG。
銀行員は、その数字が達成可能かを冷静に見てます。
NG3:返済を軽く考えている
「返済?まあ、なんとかなるでしょ」みたいな態度は最悪。
返済計画が曖昧だと、融資は通りません。
まとめ

さて、今回は創業融資の面談で聞かれる7つの質問と、好印象を与えるコツについて解説しました。
まとめるとこんな感じです。
- 創業理由は具体的に、あなたの経験とつなげて語る
- 事業内容は、ターゲット・集客方法まで具体的に説明できるように
- 売上見込みは、根拠を持って現実的な数字を
- 返済計画は、キャッシュフローを理解した上で
- 自己資金は、コツコツ貯めた履歴を見せる
- 将来ビジョンは、現実的で成長性のあるものを
面談って、確かに緊張しますよね。
でも、準備をしっかりすれば大丈夫。
銀行員も、あなたを落とそうとしてるわけじゃないんですよ。
むしろ、「この人に融資して、事業を成功させてほしい」と思ってる。
だからこそ、しっかり準備して、自分の事業への本気度を伝えましょう。
応援してます!
今回は以上です。
この記事の執筆者: 根本太一(株式会社インバンカー代表)
元銀行員×社外CFOとして、中小企業の資金調達・財務改善を支援。融資支援・事業計画策定・経営顧問まで幅広く対応しています。
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