事業計画書の構成や作り方を解説する資料のイメージ画像。数値表やグラフが並ぶ事業計画書のサンプル図。

事業計画書とは?基礎からわかる作り方

こんにちは、根本太一です。

「事業計画書って、結局なんのために書くんですか?」 「銀行に出すための”形だけの書類”ですよね?」

こういう質問、めちゃくちゃ多いんです。

実は昔の私も、銀行員時代に毎日のように事業計画書を見てましたけど、 正直「この社長、本気で書いてないな」って一瞬で分かる計画書ばかりでした。

でも、ところが。

たまに「これ、本気だ」って計画書に出会うと、 私、審査する側なのに、めっちゃ応援したくなるんですよね。

じゃあ、何が違うのか?

今日はそのあたりを、元銀行員で、今は中小企業の社外CFOとして 年間何百件も事業計画書を作ってきた私が、本音で全部お伝えします。

本記事の内容

  • 事業計画書とは何か? なぜ必要なのか?
  • 銀行員が「これなら融資したい」と思う計画書の条件
  • 事業計画書に最低限必要な5つの要素
  • 失敗する事業計画書の3つのパターン
  • 誰でも書けるようになる「型」と実践手順

本記事の信頼性

私は地方銀行に約10年間勤務し、融資審査・営業管理職を経験。 「通常なら融資が出ない」と言われた先に次々と融資を実行し、 本部の選抜4名に選ばれて審査ノウハウを叩き込まれました。

その後、完全歩合制の生命保険会社でMDRT4年連続入会。 現在は株式会社インバンカーを経営し、 中小企業専門の社外CFOとして資金調達・財務支援を行っています。

これまで作成・添削してきた事業計画書は300件以上。 銀行の審査を通す「勝ちパターン」も、落ちる「負けパターン」も、 現場で見すぎるほど見てきました。

事業計画書とは何か? なぜ必要なのか?

事業計画書は「未来の設計図」

事業計画書って、ひとことで言うと 「この会社がこれから何をして、どうやって儲けて、どう成長するのか」 を文章と数字で整理した”設計図”なんです。

起業するにしても、融資を受けるにしても、 新規事業を始めるにしても、 「行き当たりばったりでやります」じゃ、誰もついてこないわけですよね。

銀行だって同じ。

「お金貸してください」 「何に使うんですか?」 「えっと…運転資金です」 「どう返すんですか?」 「…頑張ります」

これ、まじで多いんですよ(笑)。

でも銀行員の立場で言うと、 「頑張ります」に1,000万円は出せないんです。

だから必要なのが、事業計画書。

事業計画書の3つの役割

事業計画書には、大きく分けて3つの役割があります。

①自分の頭を整理するため

まず、これ。

事業計画書を書くプロセスって、実は 自分のビジネスを論理的に説明できるかどうかの”テスト”なんですよね。

私、CFOとして顧問先の社長とよく話すんですけど、 「うちの事業、一言で言うと何ですか?」 って聞くと、意外と答えられない社長が多い。

売上は立ってるんですよ。 でも、なぜ売れてるのか、誰に売れてるのか、なぜ儲かってるのか、 言語化できてない。

それじゃあ、再現性がないし、拡大もできないし、 銀行にも説明できないんです。

事業計画書を書くことで、 自分のビジネスが”見える化”される。

これが最初の役割。

②銀行や投資家から資金を調達するため

当然ですけど、これが一番メジャーな使い方ですよね。

銀行に融資を申し込むときには、ほぼ確実に 「事業計画書を出してください」 って言われます。

特に創業融資や新規事業の場合は、 過去の実績がないわけですから、 未来の計画しか判断材料がない

だからこそ、銀行員は 「この計画、現実的か?」 「この社長、ちゃんと考えてるか?」 を、事業計画書で見極めようとします。

③社員や取引先に方針を共有するため

これ、意外と軽視されがちなんですけど、めちゃくちゃ大事。

事業計画書があると、 「うちの会社、これから何目指してるの?」 っていう疑問に、全員が同じ答えを持てるんですよね。

社員10人の会社でも、 社長が考えてることと、現場が思ってることが バラバラになってるケース、めちゃくちゃ多いんです。

事業計画書があれば、 「今年はここを目指す」 「だからこの数字を追う」 って、全員の目線が揃う。

まぁ、社内共有用の計画書と、 銀行提出用の計画書は、ちょっと書き方変えたほうがいいんですけどね。 そのあたりは後で触れます。

銀行員が「これなら融資したい」と思う計画書の条件

ここからは、私が銀行員時代に 「この計画書なら、上司に通しやすい」 って思ったポイントをお伝えします。

①「誰に・何を・どうやって売るか」が明確

まず、これ。

事業計画書って、 ビジネスモデルがちゃんと見えるかが超重要なんです。

  • どんなお客さんに
  • 何を売って
  • どうやって利益を出すのか

これが曖昧だと、どんなに数字を並べても 「で、これ本当に売れるの?」 って思われちゃう。

逆に、ここがクリアだと、 審査する側も「あ、これなら回りそうだな」って安心するんですよね。

②数字に”根拠”がある

「売上、初年度1,000万円です!」

…で?

なんで1,000万円なんですか?

銀行員が一番イラッとするのが、 数字に根拠がないパターンです(笑)。

たとえば飲食店なら、

  • 客単価◯◯円
  • 1日◯組
  • 月◯◯日営業
  • だから月商◯◯万円

みたいに、積み上げで説明できるかどうか

「なんとなく、これぐらい売れたらいいな」 じゃなくて、 「こういう計算だから、この数字になります」 って言えるかどうかで、信頼度が全然違います。

③リスクを”認識”している

これ、めちゃくちゃ大事なんですけど、 意外とみんなやらない。

事業計画書って、 「うまくいく前提」で書きがちなんですよね。

でも、銀行員は逆に 「この計画、どこが崩れるリスクあるかな?」 って視点で見てます。

だから、計画書の中に 「想定されるリスクと対策」 を書いてあると、 「あ、この社長、ちゃんと考えてるな」 って印象が一気に上がるんです。

たとえば、

  • 集客がうまくいかなかった場合 → ◯◯で対応
  • 原価が上がった場合 → ◯◯で吸収
  • 競合が出てきた場合 → ◯◯で差別化

こういうのが書いてあるだけで、 **「この人、本気だ」**って思われます。

事業計画書に最低限必要な5つの要素

じゃあ実際、事業計画書に何を書けばいいのか。

ここでは、最低限これだけは押さえてほしい っていう5つの要素をお伝えします。

①事業の概要(ビジネスモデル)

「何屋さんなのか」を一言で説明できるか。

これ、マジで大事です。

たとえば、 「地域密着型の訪問介護サービス」 「30代女性向けのパーソナルジム」 「BtoB向けのシステム開発」

みたいに、誰が読んでもイメージできる言葉で書く。

抽象的な言葉や、横文字ばっかり並べても、 銀行員には伝わらないんですよね。

②市場分析とターゲット

**「誰に売るのか」**が見えてないと、 どんなに良い商品でも売れません。

  • どんな市場で
  • どんな課題を抱えた人に
  • どんな価値を提供するのか

ここをちゃんと言語化する。

たとえば飲食店でも、 「20代のOLがランチに使う店」なのか 「50代の経営者が接待で使う店」なのかで、 全然戦略が変わりますよね。

そこを明確にすることで、 「あ、ちゃんとお客さんの顔が見えてるな」 って思ってもらえます。

③売上・利益計画(数値計画)

ここが、事業計画書の”心臓部”です。

最低でも、

  • 売上計画(月次・年次)
  • 経費計画(人件費・家賃・原価など)
  • 利益計画(営業利益・経常利益)
  • 資金繰り(お金の出入りのタイミング)

この4つは必須。

特に、売上の積み上げ根拠をちゃんと書くこと。

「客単価◯円 × 客数◯人 × 営業日数◯日」 みたいに、誰が見ても計算できる形にしておく。

あと、利益だけじゃなくて **資金繰り(キャッシュフロー)**も見せられると、 銀行員は「おっ、分かってるな」って思います。

売上が立っても、入金が3ヶ月後だったら その間の運転資金が必要ですよね。

そういう”お金の流れ”まで考えられてるかどうかで、 計画の質が全然違って見えるんです。

④資金使途と返済計画

「お金を何に使って、どう返すのか」

これ、融資を受けるなら絶対に必要です。

たとえば、

  • 設備資金500万円(内訳:厨房機器300万、内装200万)
  • 運転資金300万円(3ヶ月分の仕入れ・人件費)

みたいに、使い道を具体的に書く。

そして、返済計画。

「月◯万円ずつ、◯年で完済」 っていうのを、利益計画と紐付けて説明できるかどうか。

ここが曖昧だと、 「で、本当に返せるの?」 って疑われちゃうんですよね。

⑤代表者の経歴・想い

最後に、これ。

「誰がやるのか」

実は銀行員、これめっちゃ見てます。

特に創業融資の場合、 事業の中身よりも、この人に貸せるかどうか で判断してるケースも多い。

だから、

  • これまでの経歴
  • なぜこの事業をやるのか
  • どんな想いで取り組むのか

ここをちゃんと書くことで、 「この人なら、多少うまくいかなくても諦めずにやり抜きそうだな」 って思ってもらえるんです。

失敗する事業計画書の3つのパターン

ここからは、逆に 「これやったら一発アウト」 っていう、NGパターンを3つお伝えします。

①数字が楽観的すぎる

「初月から黒字!」 「3年後には売上10倍!」

…いや、無理でしょ(笑)。

銀行員、そんなに甘くないですよ。

事業計画書って、 「ちょっと頑張れば達成できそう」 ぐらいの現実的なラインで作るのが鉄則。

あまりにも楽観的な数字を並べると、 「この人、現実見えてないな」 って思われて、一気に信頼を失います。

②計画が”作文”になってる

「私は◯◯という理念のもと、地域社会に貢献し…」

いや、理念は大事ですよ。

でも、それだけじゃダメなんです。

銀行員が見たいのは、 「で、どうやって儲けるの?」 っていう”仕組み”の部分。

想いだけじゃなくて、 ちゃんとビジネスモデルと数字で説明できるかどうか。

ここが抜けてると、 「いい人そうだけど、お金は貸せないな」 ってなっちゃうんですよね。

③リスクを一切書いてない

「この計画、完璧です!」

…って言われても、 「いや、絶対どっかでつまずくでしょ」 って思われます(笑)。

むしろ、リスクをちゃんと認識してて、 「こうなったら、こう対応します」 って書いてあるほうが、 「この人、冷静に考えてるな」 って評価されるんです。

完璧に見せようとしすぎると、逆効果。

誰でも書けるようになる「型」と実践手順

じゃあ最後に、 実際にどうやって事業計画書を作ればいいのか、 具体的な手順をお伝えします。

ステップ①:ビジネスモデルを”一言”で説明する

まず最初に、 「自分は何屋さんなのか」 を、一言で説明できるようにしてください。

これができないと、 どんなに長い計画書を書いても、 読む側に伝わりません。

たとえば、

「地域の高齢者向けに、訪問型のリハビリサービスを提供する」 「30代女性向けに、短期集中型のパーソナルジムを運営する」

みたいに、誰が読んでもイメージできる形にする。

ステップ②:ターゲットと市場を明確にする

次に、

  • 誰に売るのか(ターゲット)
  • その市場はどれぐらいあるのか(市場規模)
  • なぜ今、その事業をやるのか(タイミング)

ここを整理します。

たとえば、

「◯◯市の高齢者人口は◯万人」 「そのうち、訪問リハビリを必要としている人は◯%」 「現在の競合は◯社で、まだ需要に対して供給が追いついていない」

みたいに、データや事実をもとに説明できると、 説得力が一気に増します。

ステップ③:売上計画を”積み上げ”で作る

ここが一番大事。

「なんとなく、このぐらい売れたらいいな」 じゃなくて、 「この計算で、この数字になります」 っていう”根拠”を作る。

たとえば、

  • 客単価:5,000円
  • 1日の客数:10人
  • 営業日数:25日/月
  • → 月商:125万円

みたいに、誰が見ても再現できる形で書く。

そして、ここに 「初月はまだ認知されてないから、客数5人」 とか、 「3ヶ月目からリピーターが増えて、客数12人」 みたいに、時間軸での変化も入れると、 よりリアルになります。

ステップ④:経費を洗い出す

売上が見えたら、次は経費。

  • 家賃
  • 人件費
  • 仕入れ
  • 広告費
  • 光熱費
  • その他

ここを、月次でちゃんと洗い出す

特に、 **固定費(毎月必ずかかる費用)**と **変動費(売上に応じて変わる費用)**を 分けて考えることが大事です。

ステップ⑤:利益と資金繰りを確認する

売上と経費が見えたら、 利益が見えてきます。

そして、ここで忘れちゃいけないのが 資金繰り(キャッシュフロー)

売上が立っても、入金が2ヶ月後なら その間の運転資金が必要ですよね。

逆に、経費の支払いが翌月末なら その分、資金繰りに余裕が生まれる。

このあたりを、月次の資金繰り表で見える化しておくと、 「あ、この人ちゃんと分かってるな」 って思われます。

ステップ⑥:リスクと対策を書く

最後に、 「うまくいかなかったときの対策」 を書いておく。

たとえば、

  • 客数が想定の半分だった場合 → 広告費を◯万円追加
  • 原価が10%上がった場合 → メニュー構成を見直し
  • 競合が増えた場合 → ◯◯で差別化

こういうのを、3〜5個ぐらい書いておくだけで、 計画の信頼性が一気に上がります。

まとめ

というわけで、今回は 「事業計画書とは何か? どう作ればいいのか?」 を、基礎から解説してきました。

最後にポイントをまとめておきますね。

  • 事業計画書は「未来の設計図」であり、自分のビジネスを見える化するツール
  • 銀行員が見ているのは「ビジネスモデル」「数字の根拠」「リスク認識」
  • 最低限必要なのは、①事業概要 ②市場分析 ③数値計画 ④資金使途 ⑤代表者の想い
  • 失敗パターンは、「楽観的すぎる」「作文になってる」「リスクを書いてない」
  • 実際に書くときは、「一言で説明→ターゲット明確化→売上積み上げ→経費洗い出し→利益・資金繰り確認→リスク対策」の順で

事業計画書って、 「銀行に出すための書類」 だと思われがちなんですけど、

実は、 「自分のビジネスを整理するための最強のツール」 なんですよね。

だから、融資を受けるかどうかに関係なく、 一度ちゃんと作ってみることをおすすめします。

自分のビジネスが、 ちゃんと言語化できるかどうか数字で説明できるかどうか

それが分かるだけでも、めちゃくちゃ価値があるんです。

もし、 「自分で作ってみたけど、これで合ってるか不安…」 とか、 「銀行に出す前に、プロにチェックしてほしい」 っていう方がいたら、

うちのインバンカーでも、 事業計画書の作成代行・添削サービスをやってますので、 気軽にご相談くださいね。

今回は以上です。

この記事の執筆者: 根本太一(株式会社インバンカー代表)

元銀行員×社外CFOとして、中小企業の資金調達・財務改善を支援。融資支援・事業計画策定・経営顧問まで幅広く対応しています。

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