銀行からお金を借りたいんだけど、銀行は融資可否をどのポイントで判断するのかな?
これから起業して借入したい方、銀行からの借入に慣れていない方のこんな疑問を解消します。
本記事の内容
- 資金使途
- 返済原資
- 担保
- まとめ
本記事の信頼性
- この記事を書いている私は、元銀行員(10年勤務)
- 現在までに事業者の決算書等を1000社以上見てきております
- 融資審査チームでの融資審査に従事した経験あり
資金使途
1つ目のポイントは資金使途です。
資金使途とは簡単で借りたお金を一体何に使うのか?という事です。
銀行はお金を借りる方の資金使途を必ず確認してきます。これは借りたお金をどのように使うのか?を把握する為です。
銀行は貸したお金がしっかりと事業資金として使われるのか?何か良からぬ事に使われないか?を確認する為にこの資金使途を気にしています。
銀行員から必ず聞かれる資金使途ですが、こんな資金使途にすると融資がまずNGとなります。
- 投機や投資に使いたいから
- 他人にお金を貸したいから
それでもこういった理由でお金を借りたいという方も実際いました。その時には別の作戦を練る必要があるので注意しましょう。
次にNGになる可能性が高くなる資金使途がこちらです。
- 事業がうまくいかなくて赤字補填資金として使いたいから
- 事業計画もないのに起業したいのでお金を借りたい
- 既存の事業とは別に新事業としてお金を借りたい
こういった理由の方も銀行での融資の申込み方しだいでは融資がおりる可能性はありますが、このままでは融資はおりません。
まだまだNGワードはあるのですがとりあえず例としてあげておきましたので参考にして下さい
【事業がうまくいかなくて赤字補填資金として使いたいから】このNGワードなんかは多分借りる方からすれば本当にお金が必要な理由だし、そのお金を貸してこそ銀行の存在意義があるんじゃないか?と思う方はいると思うのですが、現実は銀行は雨の日に傘は貸さない、雨の日に傘を取り上げる企業です。
銀行の収益源を考えれば致し方ない事なのですが、私が銀行にいた時には、感情的にはなんとかお金を借りて持ち直して頂きたいと思う方もいらっしゃいました。
そんな時にはなんとかその方がお金を借りれるように様々なアドバイスをさせて頂きました。
【既存の事業とは別に新事業としてお金を借りたい】これも経営者としては真っ当な資金使途だし、こういう資金を貸してこそ銀行の存在意義があると私は思うのですが、これも銀行が慎重になる資金使途の一つです。
銀行は先の分からない事業に融資をする事に対して物凄く消極的です。
既存の事業がうまくいっているのになぜ他の新事業に手を出すのか?もしかしたら既存の事業に問題が出ているのではないか?めちゃめちゃマイナス思考で捉えてきます。
貸す方はそれくらい慎重になる事も逆の立場になれば理解できると思うのでどうすれば銀行がそうならないかを考えて話をしていきましょう。
最近はコロナ関連の融資制度が実質無利子などで様々な金融機関で申込みできるようになっておりますが、その制度融資も実は資金使途が赤字補填資金とだけ話すと勿論借りれないので気をつけて下さい。
返済原資
2つ目のポイントは返済原資です。
返済原資とは借りたお金をどのように返していくか、借入金の返済に充てられる確実な資金のことをいいます。
これも必ず銀行員の方から聞かれます。
お金を貸した銀行はそのお金をしっかり返してもらえるように、借りた先がどのようにその借入金を返してもらえるのかを把握する必要があるからです。
この返済原資を聞かれた時にもNGワードがあります。
- 多分これから売上が上がっていくのでそのお金で返します
抽象的すぎる答えを銀行は嫌います。上記のように言われると銀行は不安になります。
本人が先が分からないので抽象的になる気持ちは分かりますが、貸す方の立場になれば具体的にそしてその具体性を根拠として示してあげる事が大切です。
今後の仕事が確認できる受注明細、今後の売上が予測できるデータ等があると👍です
担保
3つ目のポイントは担保です。
銀行での担保とはお金を借りた人がお金を返せない場合に銀行の損害を補うために設けられたもので、土地などに設定する事が一般的でした。
債務者が、お金をどうしても返せない時には、担保として提供していた土地などが銀行のものとなってしまいます。
銀行はその土地を換金して融資の返済金に充当します。
担保があれば銀行はお金を返してもらえなくてもお金を回収できるので安心というわけです。
まとめ
- 資金使途
- 返済原資
- 担保
さて上記のポイント3つの中で銀行にとって何が一番重要なのか分かりますか?
一見すると担保があれば銀行は、もしお金を返してもらえなくても損がないので一番重要なのかと思われる方もいると思いますが、一番重要なのは資金使途です。その次が返済原資です。最後に担保となります。
借りる理由に妥当性がなければ銀行はいくら担保があっても、返済原資があってもお金を貸すことはありません。
銀行が担保を求める時は資金使途は妥当、返済原資に不安が残る時の最終手段として担保を求めるという流れになります。
なのでこの記事を読んだ方は決して間違えないように融資の申込みをして下さい。
今回は以上です。