事業計画書作成時に避けるべき5つの落とし穴を説明する図解。投資家や金融機関に伝わる計画書づくりのポイントを示すビジュアル。

事業計画書作成時に避けるべき5つの落とし穴― 投資家・金融機関が「読んで納得する」計画書を作るために ―

はじめに:なぜ多くの事業計画書が失敗するのか

 
 

事業計画書は、企業の「未来を可視化」する最も重要な文書です。

しかし多くの経営者が、その重要性を理解していても、実際の作成段階でつまずきます。

特に以下のような落とし穴に陥るケースが多く見られます。

  • 読み手を意識していない

  • 数字の根拠が曖昧

  • 市場理解が浅い

  • 成長戦略が抽象的

  • 計画書が「夢物語」になっている

この記事では、事業計画書作成時に避けるべき5つの落とし穴を具体的に解説し、

投資家や金融機関を納得させる「生きた事業計画書」を作るための実践ポイントを紹介します。

落とし穴①:エグゼクティブサマリーの軽視

 
 

 なぜここが重要なのか

エグゼクティブサマリーは、事業計画書の「顔」です。

投資家や銀行担当者は、まずここを読んで「続きを読む価値があるか」を判断します。

つまり、最初の1ページで興味を引けなければ、計画書全体が読まれないのです。

書くべき核心要素

  • 事業の目的とビジョン

  • 市場機会と課題

  • 競合優位性(何が他社と違うのか)

  • 財務予測と資金調達目的

  • 経営チームの強み

 書き方のコツ

  • 専門用語を避け、誰でも理解できる表現で

  • 数字を効果的に使い、説得力をもたせる

  • 「3分で全体像が伝わる構成」にする

落とし穴②:市場分析の浅さ

 

ここで差がつく「説得力のある市場分析」

多くの計画書が失敗する理由は、市場分析が甘いことです。

「市場が成長しているから参入する」といった抽象的な記述では、投資家は納得しません。

効果的な市場調査のポイント

  • TAM / SAM / SOM で市場規模を正確に定義する

  • 成長率・トレンド・消費者行動を分析

  • 競合分析(シェア、価格帯、戦略)を明確にする

  • 顧客セグメントを細かく設定する

 成功する市場分析の構成例

「市場規模は年間120億円、前年比8%成長。主要競合3社はいずれも〇〇戦略を採用。本事業は〇〇市場の未開拓ニーズ(SOM 5億円規模)にフォーカスする。」

このように、数値と根拠をもった分析があるだけで、事業計画の信頼度は大きく変わります。

落とし穴③:競合優位性が曖昧

 

 自社の「勝ち筋」を言語化せよ

多くの事業計画書では、「他社より優れている」と書くだけで、

なぜ優れているのかの根拠が示されていません。

 優位性を示す4つの軸

  1. 価格:コスト構造・スケールメリット

  2. 品質:技術力・独自ノウハウ

  3. サービス:顧客体験・アフターサポート

  4. ブランド:信頼性・認知度・理念

書き方の例

「当社は独自開発の〇〇アルゴリズムにより、競合他社に比べ30%高速化を実現。これにより、顧客満足度と継続率の向上が見込まれる。」

具体的な差分をデータや成果で裏付けることで、説得力が格段に上がります。

 落とし穴④:収益モデルが曖昧

「どう稼ぐのか」を明確に示す

事業モデルは単なるビジネスアイデアではなく、継続的に利益を生み出す仕組みです。

ここが不明確だと、「儲かるイメージが湧かない」と判断され、投資対象から外されてしまいます。

明確にすべき要素

  • 顧客獲得戦略(BtoB / BtoC / SaaS など)

  • 価格設定の根拠

  • 販売チャネルと提携戦略

  • 収益の流れ(単発 / 継続 / サブスクリプション)

 成長戦略の描き方

短期(1年)→中期(3年)→長期(5年)とフェーズを分け、

「再現性のある拡大計画」を明示することがポイントです。

落とし穴⑤:財務計画の信頼性欠如

数字は“夢”ではなく“根拠”で語る

投資家は、夢よりも数字の整合性を見ています。

売上・利益・キャッシュフローの関係性が破綻していないか、すぐにチェックされます。

 準備すべき主要資料

  • 損益計算書(PL)

  • 貸借対照表(BS)

  • キャッシュフロー計算書(CF)

  • 資金調達・投資回収計画

 現実的な予測を立てる

  • 楽観的シナリオだけでなく、「保守的シナリオ」も併記

  • データや仮定の根拠を脚注で明示

  • 計画値と実績値を定期的に見直す体制を整備

まとめ:事業計画書は「生きた戦略書」である

良い事業計画書とは、一度書いて終わりではなく、成長に合わせて更新されるものです。

定期的な見直しとデータ反映を行うことで、計画書自体が「事業を前進させる羅針盤」になります。

最後にもう一度、避けるべき5つの落とし穴を振り返りましょう。

  1. エグゼクティブサマリーを軽視するな

  2. 市場分析を甘くするな

  3. 競合優位性を曖昧にするな

  4. 収益モデルをぼかすな

  5. 財務計画を夢物語にするな

次のアクション

事業計画書は、「書く」ことより「伝える」ことが目的です。

まずは上記の5つの落とし穴を意識して、

一歩ずつブラッシュアップしていきましょう。

あなたのビジネスの未来は、「今、書く計画書」から始まります。

この記事の執筆者: 根本太一(株式会社インバンカー代表)

元銀行員×社外CFOとして、中小企業の資金調達・財務改善を支援。融資支援・事業計画策定・経営顧問まで幅広く対応しています。

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