資金繰りを改善する方法とは?

 

Aさん
Aさん

毎日毎月預金の残高が心配。どうしたらうちの資金繰りは良くなるのかな?

個人事業主や中小企業の社長のこんな疑問を解消します。

本記事の内容

 

  • 売掛金の回収期間を短くする
  • 買掛金の支払期間を伸ばす
  • 経費を削減する
  • 銀行借入の返済期間を長くする
  • 収入を増やす ※ 一旦資金繰りは悪くなるかも

 

本記事の信頼性

 

  • この記事を書いている私は、元銀行員(10年勤務)
  • 現在までに事業者の決算書等を1000社以上見てきております
  • 資金繰り改善のアドバイスの実績も400社以上

結論:お金の支出を減らして、収入を増やす事

Aさん
Aさん

なーんだそんな事か、当たり前だろ!ふざけるな〜!

と声が聞こえてきそうです!Aさん豹変してしまった。(笑)

でも、この単純な事ができていない経営者が多くいる事を、私は、経験から知っています。

国税庁が2019年2月28日に公表した「国税庁統計法人税表」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/tokei.htm)によれば、欠損法人率は62.6%でした。

以前から中小企業の赤字割合は70%ほどと様々なデータから算出されているのですが、私が銀行員時代から見てきた実際の中小零細企業の決算書からもそれくらいの割合で赤字企業だったのを覚えています。

また今年のコロナ問題を加味すると、今後赤字企業が増加するのは目に見えて分かります。

売掛金の回収期間を短くする

 

そもそも売掛金ってなに?

売掛金とは:先に商品などを納品して、後から支払いを行う取引に発生する債権のこと。要するに、自分が売った商品、サービスに基づいて、後からお金をもらえる権利の事ですね。

 

理由は簡単で、売掛金の回収期間を短くするという事は、自分が売ったもの等が、早く現金化する訳なので、資金繰りが良くなりますよね。手元にお金がある方が安心できますよね。

例えばですが、飲食店を想像してみてください。自分が飲食店に行った時に、お会計する方法ですが、今では様々な支払い形態がありますよね。

  • 現金
  • クレジットカード
  • 電子マネー
  • QRコード 

などなど、支払い方法の多様化が進んでおります。

経営者目線

この中で、お店の経営者にとって、一番資金繰りが良くなる決済手段は、現金決済です。

現金決済なら、食べ物を提供して、すぐにお金を回収できて、手数料(クレジットカード等の決済手段は加盟店(飲食店)に手数料がかかります)もかからないので、資金繰りにとっては一番有効な方法なんですね。

 

消費者目線

ところが消費者目線は逆だったりするわけです。勿論、現金決済が一番良いと思う消費者もいると思うのですが、クレジットカード等を使った方が、ポイントが貯まって、色んな商品と交換できたり、旅行好きな人にはマイルが貯まったりするので、お得感満載なんですよね。支払いも翌月等に引落になるから、消費者の資金繰り的にも嬉しい。

 

結論

売掛金の回収期間を短くするです!

しかしこれは、お客さんとの立場上、中々そうはできないよと言う方も多いと思います。これをできるようにする為には、仕事をあの人にだから頼みたいとか、どうしてもその商品、サービスが欲しいとお客様に思ってもらえてこそ、交渉が簡単になってくると思うので、日々の努力が大切と言う事ですね。言うは易し、行うは難しですね。

 

買掛金の支払期間を伸ばす

 

そもそも買掛金ってなに?

買掛金とは:商品等を購入した場合に代金を後から支払う義務(債務)。要するに売掛金の逆ですね。

 

理由は、簡単で買掛金の支払期間を伸ばすと、手元の現金が減らないからです。

例えばですが、売掛金の時と同様に飲食店を想像してみてください。飲食店はお客様に料理を提供するのに、材料を仕入れますよね。

もしその材料を一括で仕入れて、その金額が50万円だったとします。

経営者目線

材料を仕入れた瞬間にお金を払うようにせず、仕入れた翌月の末日とかに払えるようにすれば、1ヶ月間ですが現金を放出せずに済みますよね。月の仕入れ取引が数千円単位であればあまり資金繰りに影響はないですが、1ヶ月あたりの取引金額が大きければ大きいほど資金繰りに及ぼす影響は高くなっていきます。

 

材料販売者目線

売った商品の代金が売った瞬間に入らなくて、翌月の末日に回収できるとなると、材料販売者目線からは、売掛金という事になります。売掛金の回収期間が長くなるわけなので、結果、資金繰りが悪くなります。

 

結論

買掛金の支払い期間を伸ばすです!

これは買う側からの交渉なので比較的売掛金の交渉よりはしやすいと思いますが、過度に買掛金支払いを伸ばすという事は、資金繰りが苦しいのかな?と思われる可能性もあるので、注意が必要です。

 

経費を削減する

経費といっても色々あるのですが、例えば

  • 人件費
  • 家賃
  • 交際費
  • 水道
  • 電気
  • 広告宣伝費
  • 通信費
  • 保険料
  • 修繕費
  • 燃料費
  • 事務用品費
  • 運賃

まだまだありますがとりあえずこんな感じ。

経費を下げるのも実は精査が必要で、経費の種類ごとに判断が必要となってきます。

従業員を雇っている方だと、人件費は特に注意が必要ですよね。経費を下げたいから、従業員の給料下げようなんてそもそも中々できないですし、したら離職する方も増えるし、経費は下げられても、その従業員の気力が下がって、売上も下がる可能性もありますよね。

家賃は、相場もありますが、大家さんと交渉する事で下げられたりもできるので、コロナ騒動の今なんて特に交渉しやすいのではないでしょうか。

電気代も業種によっては年間で1000万以上かかっている先もあるので、電力自由化で削減できるところは何百万単位で引き下げられるのでオススメですね。

 

結論

経費を削減するです!

経費にはそれぞれ特徴があるので、その経費を下げる事で、売上が下がる等デメリットのない経費の削減を推進していきましょう。

 

銀行借入の返済期間を長くする

理由は単純ですが、お金が減るペースを緩められるからです。

具体例を見ていきましょう。

  借入金額 返済期間 毎月返済額
600万 10年 5万
600万 5年 10万

1と2では1の方が、毎月返済額が5万円減りますね。返済期間を長くする事で、預金残高の減少を抑えながら、借入金額の有効活用がはかれるので、運転資金、設備資金共に借入期間を長くする事が資金繰りを改善する事に繋がります。

運転資金とは事業の経営を行うにあたって必要な資金
設備資金とは土地、建物、車両、機械など、金額の大きな設備を購入する資金

勿論金利もかかるので、返済期間を短くして、早めにお金を返したいという発想になる経営者の方は多いのですが、業種にもよりますが、運転資金は基本的に事業を清算しない限りはずっと必要な資金になるし、設備資金はそもそも金額も大きくその投資効果も長年にわたりあるものなので、基本的には長めに借入しておいた方が、資金繰り的には楽になります。

 

結論

銀行に限らず、適正な金利でお金を借りているのなら、返済期間はなるべく長くする事です。

ただ、銀行等はその逆で貸したお金を安全に回収したいので、なるべく短期間で貸したがる傾向にあるので、銀行員の言うことを鵜呑みにして借入期間を短くしすぎると、利益は出ているのに、お金がない状況となり、黒字倒産する可能性もあるので注意しましょう。

 

収入を増やす ※一旦資金繰りは悪くなるかも

ただこれは売上が上がる直前は、業種にもよりますが、実は資金繰りが一旦悪くなります。

在庫を抱えている、製造業などは特に該当します。物を作ってその後、売る商売等は、受注を受けて材料を仕入れて作るので、売上金の全額を回収する前に仕入れ資金や経費等の費用が先行してかかってくるからです。その後売上を回収すれば赤字の仕事でなければ以前よりお金は増えるので、一旦資金繰りは悪くなる感じですね。

勿論良い意味でのお金の減少なので、この理由での借入相談は、銀行はお金を貸したがるので、安心してください。

コンサル業や士業等の個人事業主等は、製造業と異なり、売上増加に伴う先行資金はあまり必要ないので収入を増やす事が単純に資金繰りを良くする事となります。

 

結論

収入は増やす事が将来的にはどの業種でも資金繰りを良くする方法となります。

 

まとめ:お金の支出を減らして、収入を増やす事!

今回は、私が様々な企業を見てきた中で資金繰りが悪くなる原因についてお話をしてきました。

私自身もこの記事の内容を当たり前として考えながら、様々な方にアドバイスをしてきました。

中にはこの全てを少しずつ改善していき、年間3000万以上のキャッシュを生み出した企業もあります。

会社が大きくなり、従業員も増え、扱うお金が増えれば増えるほど、基礎的な事が疎かになり、会社の資金繰りがいつの間にか社長自身でも把握できないようになっていく事もあります。

そうした時にはこの記事を見て原点を見つめ直してみる事をオススメします。

今回は以上です。