個人事業主が資金調達を成功させるための代表的な方法と注意点を解説するビジネス講義風の画像

個人事業主の資金調達方法|元銀行員が教える成功のコツと注意点

個人事業主として事業を行う上で、少なからず資金は必要になります。
ただし、個人事業主は法人と違い、利用できる資金調達の方法や審査基準が限られているのが実情です。

銀行員時代、私が何百件もの融資案件を担当してきた中でも、「個人事業主だから通らない」「そもそも方法を知らなかった」というケースは非常に多く見てきました。

この記事では、個人事業主が資金調達を行う際に知っておくべき方法や注意点を、実務経験に基づいてわかりやすく解説していきます。

個人事業主はどんな時に資金調達が必要?

まずは、個人事業主がどのようなタイミングで資金を用意すべきかを整理しておきましょう。
実際、銀行で融資審査を行う際も「なぜ今、資金が必要なのか?」は必ず聞かれる質問です。

開業時

最も多いのが、開業時の初期費用です。

  • オフィスや店舗の賃貸費用

  • 設備投資や什器の購入

  • 仕入れ・広告宣伝費

など、思った以上に初期費用がかかるのが現実です。

法人と比べると事業規模は小さくなりやすいですが、それでも数十万円〜数百万円規模の資金が必要になるケースも少なくありません。
自己資金だけでまかなうのが難しい場合は、融資制度の活用を検討しましょう。

運転資金が足りなくなったとき

事業を続けていくと、どうしても資金繰りが厳しくなる時期があります。
特に、入金と支払いのズレが生じやすい業種では、黒字でも一時的な資金ショートが起きることもあります。

そのような時に資金調達を行い、早めにキャッシュフローを整えることで、事業の停滞を防ぐことができます。

個人事業主が活用できる代表的な資金調達方法

ここからは、個人事業主が利用できる代表的な資金調達先を紹介します。
銀行員時代に実際に融資が通りやすかったケースや、うまく活用できた例をもとに解説していきます。

日本政策金融公庫(創業融資)

まず最初に検討すべきは、**日本政策金融公庫(通称:公庫)**です。
政府が100%出資している金融機関で、個人事業主や小規模事業者の支援を目的としています。

代表的な制度として「創業融資」があります。
これは、開業前後の方を対象にした融資制度で、以下のような特徴があります。

  • 低金利で融資が受けられる

  • 無担保・無保証人でも利用できる場合がある

  • 返済期間が長く設定されている

開業間もない事業者でも利用しやすく、私が銀行にいた頃も多くの事業者がこの制度を活用していました。

信用金庫・地方銀行

地域密着型の金融機関である信用金庫や地方銀行も、個人事業主の力強い味方です。
特に、地元で実績を積んでいる方や、地域の取引先が多い方は融資を受けやすくなります。

公庫に比べると金利はやや高めですが、担当者と信頼関係を築くことで、
長期的に資金繰りをサポートしてもらえるメリットがあります。

実際に私も、融資が難しい案件でも「地域のつながり」を重視して通したことが何度もあります。

自治体の制度融資

地方自治体・信用保証協会・金融機関が連携して行うのが「制度融資」です。

この仕組みでは、自治体が金利や保証料の一部を補助してくれるため、
実質的な負担を軽くしながら資金を調達できます。

特に、創業支援や経営改善など目的に応じたメニューが用意されているため、
「地域に根ざした事業を展開したい」という個人事業主に向いています。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネット上で出資を募る新しい資金調達の形です。

融資ではなく、応援してくれる支援者からの出資を受ける仕組みなので、返済義務がありません。
その代わり、支援者には「商品」「サービス」「特典」などをリターンとして提供するのが一般的です。

「自分のビジネスを社会に発信したい」「ファンを増やしたい」という目的を持つ方におすすめです。

ビジネスローン

スピーディに資金が必要な場合は、ビジネスローンも選択肢の一つです。
審査が比較的ゆるく、即日融資に対応している金融機関もあります。

ただし、金利は他の融資制度より高く、長期利用には向いていません。
一時的な資金ショート対策として利用するようにしましょう。

また、ビジネスローンの利用履歴が多いと、公庫や銀行の審査でマイナス評価になることもあるため注意が必要です。

融資を受ける前に注意しておくべきポイント

ここからは、個人事業主が融資を申し込む前に、最低限準備しておくべきポイントを解説します。
この部分を怠ると、書類の段階で落とされることもあります。

開業届を提出しておく

融資審査では、「本当に事業をしているのか?」が最初に確認されます。
その証拠として必要なのが開業届です。

事業開始後1か月以内に税務署へ提出するのが原則ですが、遅れて提出しても問題はありません。
ただし、未提出のままだと融資対象外になる可能性があるため、早めに手続きを済ませましょう。

確定申告は必ず行う

確定申告は、事業の信用を証明する最も重要な書類です。
金融機関は、**「きちんと納税しているか」「売上・利益の推移」**を確認します。

確定申告書の内容に整合性があると、それだけで信用が上がり、融資が通りやすくなります。
逆に、申告を怠っていると「資金管理が甘い」と判断され、審査が通らなくなるケースもあります。

資金調達を行う前に考えておくべきこと

最後に、資金調達を行う前に押さえておくべき基本的な考え方をお伝えします。
これは銀行員時代、資金繰りに悩む多くの経営者にお伝えしていたポイントです。

資金は事業以外に使わない

個人事業主の中には、事業用資金と生活費を混同してしまう方がいます。
しかし、これをやってしまうと資金の流れが不明瞭になり、管理が非常に難しくなります。

また、資金の使い道が限定されている融資制度も多いため、事業以外の目的で使うのは絶対にNGです。

個人事業主でも利用できるかを確認しておく

すべての資金調達制度が個人事業主に対応しているわけではありません。
中には「法人限定」の融資制度もあります。

申し込みの前に、個人事業主でも利用できるかどうかを必ず確認しておきましょう。

まとめ

個人事業主としてスモールビジネスを展開している場合でも、
設備投資や仕入れ、運転資金などでまとまった資金が必要になることは少なくありません。

その際、

  • 日本政策金融公庫

  • 信用金庫

  • 制度融資
    といった公的な融資制度をうまく活用することで、安定した資金繰りを実現できます。

また、融資を受ける際には開業届の提出・確定申告・使途の明確化といった基本的な準備が欠かせません。

資金調達は「借りること」ではなく、「未来への投資」です。
必要なタイミングで、最適な方法を選び取れるように、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。

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この記事の執筆者: 根本太一(株式会社インバンカー代表)

元銀行員×社外CFOとして、中小企業の資金調達・財務改善を支援。融資支援・事業計画策定・経営顧問まで幅広く対応しています。

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